自分の資格試験実施まであと3週間ほどとなっており、
私的な時間の多くは勉強にあてなくてはならず、忙しい中ですが、
日記を書きあげました。
今回の日記は、発売直前の
『ポケットモンスター ウルトラサン・ウルトラムーン』に因んで、
無印の『ポケモン サンムーン』についてです。
『サン・ムーン』のシナリオのテーマ
「大人と子供、その真の意味」
今回のは、Miiverseで『サン・ムーン』の感想としていつか書こうと思っていた日記の題材ネタなのですが、書く機会を逃していたものです。
機会を逃したままMiiverseが終了となってしまいましたが、
せっかく『ウルトラサンムーン』の発売が迫っているのだし、
ここで執筆してみることとしました。
『ポケモン サン・ムーン』を一通りエンディングまでやってみると、
シナリオのテーマとして終始一貫して
「大人と子供」
が含まれている事が分かります。
大人びた子供や、子供そのものな大人のキャラクターが劇中に登場し、
「真の意味での大人とは何なのか」 「子供の要素の良い点は何なのか」
をプレイヤーに問いかけ、そして例として回答の一つを見せるという
場面が非常に多かったです。
今回の日記は、
そんな「『サン・ムーン』で描かれていた大人と子供の意味」についてを
キャラクター別に紹介していこうかと思います。
今回紹介するのは、リーリエ、ククイ博士・バーネット博士夫婦、ハウ、
そしてグラジオと関連でアセロラ&クチナシについてです。
相変わらずの超長文となってしまいましたが、
ちゃんと読んでくださると幸いです(^_^;)
リーリエ
『サン・ムーン』のヒロインのリーリエ。 名前のリーリエとはドイツ語でユリという意味。 (英語でいうリリー) グラジオクン以外のエーテル財団関係者は、 植物のドイツ語名で統一されています。 |
「精神的に子供から大人へと成長し、自立していく人間」
と描かれなキャラですね。
ゲーム序盤のリーリエは、ほしぐもちゃんを守るという事以外は
「自分の意思」が著しく欠落してしまっています。
これはリーリエ自身が語るように
「母ルザミーネが、自分の思い通りになる人形」
として育てられていたためです。
服装も、改めて見返すと着せ替え人形のようです。
母親の人形だったリーリエ。 故にこのころは自立心や自己への自信に欠けており、 服も自分で満足に選択できません。 |
主人公とハウという「成長しようと頑張る同世代」、
そしてハプウという
「精神年齢は遥かに上なのに、自分を対等に見守ってくれる年下」を経て、
精神的に大きく前進。
ほしぐもちゃんがさらわれる際は、
それを守るべく自らも同行して母親ルザミーネの説得をしようと試みます。
リーリエを「友達」と対等に見てくれたハプウ。 ルザミーネとは逆の「精神的に大人な子供」と描かれています。 |
髪型も服装も自らの意思にあふれた行動的なデザインへと一新、
精神的にも劇的に前進し、いわゆる「がんばリーリエ」モードになります。
髪型も服装も一新したリーリエ。 生まれ変わった彼女の心意気を示しています。 |
この後のリーリエは、しっかりとした「自分の意思」に溢れ、
守るべきものの為には臆せず、スカル団にも毅然と対応するなど、
「ほしぐもちゃんを我が子とする善き母親」的な性格になります。
がんばリーリエ。 元々はロトム図鑑ではなくハプウのセリフです。 アニメだと第1000話でマオが言いましたね。 |
かつては善き母だったというルザミーネ。 夫が消息を絶って以降、 現在のような支配欲や独占欲の塊になっていたという。 |
スカル団が集団で立ち向かってきても、 もうリーリエは怯みません。 |
あまりも幼稚でワガママな態度を崩さない母親に対し、
温厚なリーリエが遂に怒ります。
おこリーリエなこの台詞と対応、
相手の為を思うが故に本気で怒るという「どっちが母親だよ…」な展開ですね。
リーリエ、遂に怒る まさに おこリーリエ |
親は子供を守る存在であるが、 子を所有物として圧っていいわけではない。 当たり前のようだが、現実世界でも 一部の親が守れていないこと。 |
ルザミーネの為を思い、真剣に怒りをぶつけるリーリエ。 もうどっちが親だか分かりませんね。 |
事件が解決して、 ほしぐもちゃんとの別れのシーン。 完全に ほしぐもちゃん のお母さんである。 |
『ウルトラサンムーン』ではネクロズマの存在に伴い、
ルザミーネ関連のシナリオが大きく変更されているようなので、
リーリエもどうなるか気になるところです。
ククイ博士&バーネット博士
主人公たちの導き手にてリーリエの保護者たるククイ博士と妻バーネット博士は「大人の役割を果たしつつ、良い意味で童心に溢れた、完成された人間」
とでもいうべき人物です。
今回のポケモン博士であるククイ博士。 ククイとは、ハワイの州のシンボルの木です。 |
研究者として子供のような探究心が溢れ、自身の夢を熱く語るのがククイ博士です。
「アローラ地方にもポケモンリーグを開く」 という自信の夢を、 童心のごとく純粋な思いで語ります。 |
なかなかにお茶目な心意気をしています。
バレバレだというのに、あくまでも 「ロイヤルマスクはククイではない」 と言い張るククイ博士。 |
身元不明状態だったリーリエを保護して娘同然に扱うなど、
精神的には至って成熟しています。
妻バーネット博士も「ハニー」と軽口を言うものの、
愛情や信頼に溢れており、既婚者・扶養者としても一流です。
いわば「理想の父親」的な描かれ方のキャラクターだと言えますね。
アニメ版ではスクールの講師のため「理想の先生」でしょうか。
バーネット博士との夫婦関係。 「ハニー」と軽口を叩きますが、 実際は強くて深い愛情と信頼で結ばれています。 |
不良のグズマくんに対しても、 ひるむことなく毅然と対応して 「大人のやるべき対応」をします。 |
リーリエの第一発見者で彼女を保護し、
夫ククイ博士への連絡もすぐ取ったりしっかり者ながら、
姐御肌でサバサバしてお茶目心も忘れなかったりと、
「理想の母親」的な描かれ方をしています。
ほしぐもちゃんのテレポートでエーテル財団を脱出後のたリーリエを 身元を明かさなかったにもかかわらず 話を真剣に聞いて事情を察し、 娘同然に保護してくれたバーネット・ククイ夫婦。 リーリエ二とっては第2の母親にて、 現状の実母よりも母親らしい存在でした。 |
ちゃんと夫の活躍の見物と応援に行き、 「ロイヤルマスクはククイでない」 と口裏も合わせるバーネット博士。 お茶目な面も兼ね備えた善き妻です。 |
(ククイ博士側が好意を抱きつつある模様)、
姐御肌で面倒見が良いのはより際立って描かれていましね。
余談ですが、バーネット博士が『サンムーン』で初登場と思っている方、
実は彼女の初出は『ポケモンARサーチャー』です。
『ポケモンARサーチャー』でのバーネット博士。 服装などもあって印象がかなり異なります。 この頃から異次元の研究者という設定でした。 |
ハウ
ライバルの一人であるマイペース少年のハウ。 ハウとは、花のユウナ(オオハマボウ)の ハワイでの呼び名です。 |
彼は「子供っぽくお気楽そうに見えて、実は色々と考えており、
マイペースだが着実に成長していく人物」とでも言えるキャラクターです。
序盤はただひたすらにのん気でお気楽でマイペースとして映るハウ。
勝負の勝敗も気にしません。
強くなろうとしているグラジオくんからは、それに苛立つことも。
どんな場合でも発見するや否や 中盤までのハウは、勝敗とか強弱とか関係なく 純粋に試合を楽しいでいるキャラです。 |
実力はあるのにお気楽そのもの。 グラジオくんはハウの実力は認めるものの、 その心構えに煮立ちます。 |
色々な事を受け入れる覚悟も持った人物でもあります。
偉大な島キングのハラの孫として生まれ、ハウの父親は
「いずれはキングの座を継ぐのだろう」という周囲の期待に耐えかねて
カントー地方に移住してしまったそうです。
しかし、ハウはその生まれの境遇や、周囲の期待を受け入れて、
父親について行くのではなくアローラに残り、
いずれは祖父ハラを継ぐべく自分なりに努力を続ける道を選びました。
「物事を深刻に考えない」というハウの性格もあってのことをでしょうが、
後にグラジオくんもこの「物事を深刻に考えず、
逆に全て受け入れる」というこのハウの強さを認めています。
意外なほどの洞察力の高さと、素直な性格もあり、 ハウは初期からグラジオくんの本質を見抜いていました。 |
後にグラジオくんも、ハウの境遇とその受け入れ方を 「俺にはできない事だ」として評価し、ハウの持つ強さを認めます。 |
彼が精神的に成長を見せるのはリーリエとほしぐもちゃんがさらわれ、
エーテル財団に突入するイベント。
リーリエを守れなかったことから、
単に流れのままにでは済まされない事もある事を身をもって痛感します。
そしてハウは「責任を持つ」ことや「なんで負けがいけないのか」を
しっかりと考えるようになり、成長の一歩を踏み出します。
何で負けてはいけないのか、 強さが必要な理由は何なのか、 リーリエという友達と救うべく ハウはそれと向き合って理解し、成長を遂げます。 |
このエーテル財団突入イベントでのザオボーとのやり取りでしょう。
時間稼ぎをして守りを固めるという手段を取ったザオボーに対して
「その間にカギそのものを隠せばよかったのに」と
「大人の狡賢さ」的なことに気づいた発言をして、
その策に気づかなかったザオボーを絶句させます。
普段から大人を盾にするくせして、 いざとなったら「大人のずるさ」を 中途半端にしか発揮できず、 それをハウは無邪気に指摘します。 |
「大人を盾にするくせに行き当たりばったりな策しか出来なかったザオボー」
の対比がプレイヤーの笑いと驚きを誘うシーンです。
みんなでリーリエを救った後のハウは、 「みんなの笑顔を守るため」 として力を求める理由を見つけます。 あくまでマイペースで無邪気ですが、 着実に成長を続けていくのがハウです。 |
負けると若干悔しがるようになりますが、
それもしっかりと受け入れ、前に進んでいきます。
「全てを受け入れて、マイペースだが着実に成長していく少年」といえますね。
グラジオ
ライバルの一人で、リーリエの兄のグラジオくん。 名前は園芸植物のグラジオラスから。 エーテル財団の関連者では唯一の ドイツ語ではなく学名からの命名です。 |
最初はスカル団の用心棒にて強さを求める
後に、ヌル(シルヴァディ)を連れてエーテル財団から逃げた
リーリエの実兄であると判明します。
(ゲーム出て一年経つし、アニメでも出てきた話だからもういいですよね)
グラジオくんは「不器用に大人を目指す子供」とでも言える立ち位置ですね。
リーリエのほしぐもちゃんに対する、グラジオくんの保護対象のヌル。
失敗作として虐げられていたヌルの1匹を救って家出同然に逃げ出し、
そのヌルを守ると共にそれまでの家族を失った、
そもそもルザミーネたちを切り離したかったグラジオくんは、
「ヌルと共に生きていく」と世捨て人的になり、そのための強さを求めていました。
ですが、「真の強さ」がなんなのかには辿り着かず、
クチナシのおやっさんからもそれを指摘されています。
ヌルを救ってエーテル財団を脱走、 忌まわしかった過去を捨てたグラジオくんですが、 同時に家族を失い、が唯一の相棒となりました。 |
最初は「強さはあるのに、それに対する信念がない」という ハウを半ば侮蔑していました。 強さを闇雲にもとめているグラジオくんから見れば、 お気楽に程があると共に、苦悩しないのが眩しかったのでしょう。 |
ククイ博士に指摘されてもあくまで自分のやり方に拘る。 上記のようにハウからは「しんどそう」とズバリの指定が。 |
親しげな会話の様子などクチナシのおやっさんは
グラジオくんの素性を知っている様子です。
もしかすると、エーテル財団から脱走後に、
グラジオくんは一時期クチナシのおやっさんに世話になったのでしょうかね?
『ウルトラサンムーン』での補完が期待されます。
グラジオくんとクチナシのおやっさとの会話。 お互いを詳細に知っている様子かつ妙に親しそうで、 何か過去にあったのではないかと伺わせますが、 詳細は謎のまま。 |
侮蔑の念すら見せていたハウの覚悟や生き方を見て、
ハウへの評価を改めると共に、
ハウのような「嫌な事や重荷となっている現実でも受け入れていく」覚悟を決めて、
エーテル財団突入イベント後は事態の収拾のためにも
再びエーテル財団に留まることにします。
ハウの持つ強さを理解しいて、 彼への評価を改めるグラジオくん。 |
騒動の後処理のために、 エーテル財団に戻ることを決めたグラジオくん。 嫌なものであっても過去の現実を受け入れる事も また「強さ」であるという描写でしょう。 |
その後は「真の強さ」たる「心の強さ」が育っていく様子を垣間見せていきます。
この後のグラジオくんの活躍も『ウルトラサンムーン』では期待したいところです。
余談ですが、グラジオくんは発売前は
あからさまな厨二病なキャラっぽいとして話題を集めました。
まぁ、理由は戦闘時のポーズの溜めでしょうね。
「俺の左手がうずく」的なポーズですから。
問題の厨二病っぽいポーズ |
アニメ版だと、言動がところどころ厨二病ですね(汗)。
具体的には、ヌル(アニメだと最初からシルヴァディと呼んでいます)を
「戒めの仮面を纏いし聖獣シルヴァディ」と呼んでおり、
仮面が壊れた(進化した)際は「いま解き放たれし聖獣」と呼ぶなど、
視聴者の笑いを誘います。
まぁグラジオくんは実際に中学生くらいですから、
「お年頃で必然」とも言えますがね。
アセロラとクチナシ
ついでと言ってなんですが、グラジオくんの話に出てきたクチナシのおやっさんと、
その関係者であるアセロラちゃんについても。
この二人も「大人と子供」の要素を踏まえたキャラと言えて、
アセロラちゃんは「子供の要素を突き詰めたキャラ」であり、
クチナシのおやっさんは「大人の要素を突き詰めたキャラ」となっています。
アローラの王族の末裔であるアセロラちゃん。 名前は果樹のアセロラからですね。 |
やさぐれているが敏腕の警察官であるクチナシのおやっさん。 名前は果実を染料に使う植物のクチナシから。 |
アセロラちゃんは、ハウに似た系統のキャラと言え、
ひたすらに子供的な無邪気さを突き詰めたキャラとなっています。
とにかく元気でおしゃべり、純真でエーテル財団を素直に信じているなど、
良くも悪くも子供の要素を突き詰めたキャラクターと言えます。
とにかく元気なアセロラちゃん。 クチナシのおやっさんは彼女が 元気過ぎて苦手のようです。 |
「スカル団がわざとポケモンを傷つけて、 それをエーテル財団が保護して正義の名を高める」 というエーテル財団の自作自演に気づかず、 純粋に財団を支持しているアセロラちゃん。 悪い意味でも純真だといえます。 |
ドライ過ぎるくらいに普段から擦り切れており、喋りも淡々としていますが、
物事の本質を的確に言うという「大人の見解」が常にできる人物です。
上述のように、グラジオクンを理解したうえで、 現状がグラジオくん自身の為になっていないと 鋭く的確に指摘します。 この辺はまさにおとな |
伝説のポケモンやウルトラホールを見ていも 驚き方が淡々としており、 ポケモンリーグに誘う際も実にクール。 |
一方でクチナシのおやっさんのように大人の責務は果たすが
童心を失ってしまうと人とっして取っつきにくい。
この2人は
「子供だけではいけないが、大人だけでもいけない」
という描かれ方とした存在と言えます。
それぞれに良いところも悪いところもあり、どちらか片方だけでは駄目で、
それぞれを認め合って、両方とも兼ね備えるようにしなくてはなくてはならない。
『ブラック・ホワイト』で語られたテーマがまた出てきているといえます。
この辺を見ても、
「『サン・ムーン』は『ブラック・ホワイト』の系譜の作品」
だと証明しているといえますね。
ではでは、今回の日記は以上です。
長文失礼いたしました。
後編の日記となる「その②」では、
グズマ、ザオボー、ルザミーネ、ハプウを通じての
「大人と子供」の描写についてを紹介していきます。
追伸
後編の日記完成しました。
こちら からどうぞ。
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